診療放射線技師になるには、とにもかくにも国家試験を合格しなければなりません。私も学生時代、国家試験前は一生懸命勉強したものです。
しかし、闇雲に勉強すれば合格できるとは限りません。私のクラスにもめちゃくちゃ勉強していたけど不合格だった友人もいます。逆に、けっこう遊んでいたけど合格した友人もいます。勝負は時の運、という言葉もありますが、これは一体なんででしょう。
今回、私の経験をもとに国家試験の対策や勉強法を教えましょう!これから国家試験に臨む学生さんのさんこうになればと思います。
決して優秀ではなかった学生時代
「どうせ、そこそこ勉強ができたから国家試験合格できたんでしょ?」という意見もあるかもしれないので、少し脱線して私の学生時代の話をします。
結果からいうと、私は勉強のできる優秀な学生ではありませんでした!(自分で言うのも少し恥ずかしいですが…)
優秀どころか、試験では毎回追試が数科目あるような成績の悪い方の学生でした。追試をパスしなければ留年になるんですが、留年になることはなかったです。かなりギリギリでした。バイトや遊びに時間を割いていた結果ですね…。
そんな私ですが、3年生になり、いよいよ国家試験を受けなければならない年に。(私は短期大学だったので)
3年生で最初の試験。過去の国家試験と全く同じ試験をしました。結果は、200点満点中36点。
現実を知りました。国家試験は五択の問題なので、適当に答えても2割(40点)は取れると思っていたけど、2割も取れていなかった現実にかなり焦りました。
そこから本気で国家試験に向けて勉強を頑張るようになり、現在に至ります。
国家試験の合格基準について
国家試験の合格を目指している方はもちろん知っていると思いますが、診療放射線技師の国家試験の合格基準は問題の6割を取ることです。つまり、200問中120点を取る必要があります。
さらに、120点取れたとしても各科目の中で0点が2科目以上あってもダメです。
「6割取れればいいなら楽勝じゃね!?」と思われる方もいますが、決して楽勝ではありません。しっかり勉強して、国家試験に備える必要があります。
ちなみに、国家試験は1年に一回だけです。落ちてしまったら次受験できるのは一年後となります。脅しではありませんが、ストレートで合格しないと翌年はさらに厳しいかもしれません。
実際に、一度落ちた友人が翌年も落ちていましたし、他にもそのような話をよく耳にするからです。おそらく、モチベーションの維持などいろいろな要素があると思いますが、、、
国家試験は一発勝負!!
という強い気持ちで行った方がいいです。私はエンジンがかかるのが遅かったですが、この気持ちだけはしっかり持って国家試験に臨んだつもりです。
オススメ国家試験対策
ではここからは、成績は悪い方だった私が実際にした国家試験対策について話していきます。これはあくまでも私が実際に体験してオススメしていますが、これで絶対に合格できるとは限らないので注意してください。
①解剖学を学べ!
診療放射線技師の国家試験の中には、多くの科目があります。その中でも特に私が勉強すべきだと思うのは基礎医学大要。つまり解剖学です。
なぜ解剖学が大事かって?それはこの後に記述する臨床実習にも大きく影響するからです。
そして、この科目は国家試験の中でも点数が高いです。
ここをしっかり勉強しておけば、診療画像検査学やエックス線撮影技術学を学ぶときにスムーズに理解できるようになります。
何よりも、放射線技師になってから解剖学はめちゃくちゃ大事です!!イイ技師への近道は、解剖学を極める事と言っても過言ではありません。早い段階で解剖学をしっかり勉強した方がいいと思いますよ!
そんなこと言ってる私、学生時代に解剖学をしっかり勉強していたかって?
答えは、No!です。
もちろん、国家試験に向けての勉強はしていましたが、しっかりは勉強できていなかったので就職してからめちゃくちゃ苦労しました!技師長に何度「そんなこともわからないの!?」と叱られたことか…。
そんなこともあり、私は就職してから解剖学を本当の意味で学びましたが、学生のうちにしっかり勉強することを強く勧めます。
②臨床実習で学べ!
放射線技師になるには、病院での臨床実習は避けては通れない道です。
私の場合、約3カ月間、病院での臨床実習がありました。この間、一つの病院で3カ月実習をするのではなく、1カ月ごとに違う病院で学びました。
この臨床実習、かなり大事です!!
「臨床実習が大事なのはわかるけどさ、国家試験と関係あるの?」
関係あるんです!
臨床実習があるまでは、教科書で学び、講義を受けて学び、実際の現場というものを知らないと思います。私もそうでした。
『百聞は一見にしかず』
まさにこの言葉の通り!これまで教科書で学んできたいくつもの“点”が臨床実習と通して一本につながり“線”になります。理解が深まり“線”となった記憶は、なかなか忘れることが出来ません。
そして、臨床実習をより有意義なものとするために、上記で述べた解剖学が大事になってくるのです。
臨床実習が始まる前に解剖学はしっかり勉強しましょう!
臨床実習では、見るだけでなく、技師の監督のもと実際に撮影をさせてもらったり、いろいろな装置にも触れる機会があると思います。
分からないことは、自分で調べたり技師へ質問したりして、勉強していきましょう。
③ブルーノート・イエローノートで学べ!
学生なら知っている人もいるのではないかな!?
ブルーノートとイエローノートは、国家試験対策にかなり役に立つ教材です!
ブルーノートは基礎編。イエローノートは臨床編となってます。
ブルーノートには、基礎医学大要・放射線生物学・放射線物理学・医用工学・放射化学・放射線計測学が載っています。
イエローノートには、診療画像技術学・核医学検査技術学・放射線治療技術学・医用画像情報学・放射線安全管理学が載っています。
この2冊には、過去出題された国家試験の問題を元に、かなりわかりやすく要点がまとめて書かれています。
放射線技師の国家試験は、科目も多くて覚える範囲も広いので、特に大事な要点をまとめてあるブルーノートとイエローノートは個人的にかなり助けられました。
もちろん、この2冊だけを勉強すればいいってわけではないですが、まずはこの2冊を極めましょう!
そうすれば、国家試験に出題される大部分をカバーできると思います。
ブルーノートとイエローノートに関して詳しくは
「放射線技師 ブルーノート・イエローノート」と検索してみるといいですよ!
④残り2・3カ月は過去問を徹底的に!
国家試験が迫ってくるとだんだん焦りが出てきます。
残り2カ月くらいになったら、国家試験の過去問を徹底的にやりましょう!
なんだかんだ、放射線技師の国家試験の問題って過去問から出題されているものがほとんどです。
もちろん、過去に出題されたことのない問題もありますがね。
私が学生の頃は、赤本を呼ばれる過去の国家試験10年分が載ったものを使っていました。
ブルーノートとイエローノートを合わせて「赤・青・黄」のこの3冊が私の必勝アイテムでした。
勉強方法ですが、ただ問題を解いて答え合わせをして終わり!じゃダメです。
答え合わせをして間違えた問題を徹底的に考えてみましょう!特に放射線物理学などで出題される計算問題は、なぜこの公式を使うのかなど理解を深める必要があります。
そして、この過去問をする上で役に立つのが上記で述べたブルーノートとイエローノート!
過去問とブルーノート・イエローノートを合わせて勉強すると効率が良くかなりオススメですよ!
冒頭で述べた遊んでいたけど国家試験合格した友人、過去問だけはしっかり勉強していました。
「結局、過去問だけ勉強すればいいんじゃね!?」
と思うかもしれませんが、確かに過去問のウエイトは大きいです!
しかし、過去問さえバッチリなら合格できるとも断言できません。
⑤前日・当日は一冊のノートを見るだけ!
いよいよ国家試験。
私の場合は、試験会場が名古屋でした。前日に名古屋へ行き、ホテルに宿泊です。
この時、持って行ったのは一冊のノートだけ。
このノートは、過去問をしていて間違えた問題の要点や覚えないといけない事、計算などを自分でまとめたノートです。
このノートをホテルで寝る前、パラパラっと目を通して寝ました。すると試験当日、けっこう頭がすっきりしていて、いい感じでしたよ!
国家試験前日になって「あれもしないと!これもしないと!」と焦ることもあるかもしれませんが、それは良くありません。
それをしてしまうと、実際まだ覚えていないことが見つかった時にさらに焦る結果になるからです。
試験前日・当日で大事なのは“メンタル”です!
「これだけやってきたんだから大丈夫!6割取れればいいわけだし、合格できるでしょ!」
これが私の試験当日の精神状態でした。
この精神状態に持ってくるために、余計な勉強はしないことです。
いい精神状態に持ってこれず試験会場の空気にのまれ、マークを1問ずらしてしまって不合格というケースも実際にあるようです。
とにかく、いいメンタルで試験に臨めるようにすることが大事ですよ!!
国家試験対策の要点をまとめる
いろいろと話してきましたが、私が導き出した国家試験対策の要点はこんな感じです。
そして、万全な精神状態で試験に臨めるように努めましょう!
そうすることで、きっといい結果に結びつくと思います。
また、この記事はあくまでも私の経験に基づいて書いているもので、これで100%合格するよ!って保障は出来ないのですが、一つの参考にして下さい。
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